このブログでは占い師のみなさまに、鑑定の参考になればと経済や人口動態についてたまーーーーに解説していますが、今日はちょっと脱線して「結婚できない問題」の話を。
今さかんにメディアで「結婚できない時代が来た」と言われていますが、日本の歴史をチラと見返してみると、過去にも似たような状態があったことがわかります。
1・江戸時代中期までの江戸
江戸の町は男だらけの毒男社会でした。
これは地方から男性(武士や労働者)がドドッと流れ込んだためで、江戸初期の男女比は1.8:1であったと言われています(とはいえ、江戸詰めの下級武士や商家のスタッフなどは、国元に妻子がいるケースもあったと思われます)。男女比は時代が進むと共に1:1に近づきはじめ、江戸末期~明治期には0.94:1と男女比が逆転します。
2・第二次世界大戦直後の日本
戦地で亡くなった男性や、引き上げを外地で待つ兵隊さんが多く、第二次世界大戦直後には空前の女余りが発生、女が結婚できない時代がやってきます。1945年当時の男女比は0.89:1であった、という驚きのデータが残っています。
元々男性人口が少なかったと思われる地方、とくに鳥取県や鹿児島県では0.83:1程度にまで数字が落ち込み、地方在住の女性たちは相当大変だったろうなあ、と想像できます。
ちなみに、1940年当時の男女比はちょうど1:1であったようで、やはり戦争の影響は大きいんですね。
3・バブル期の日本
これはデータがあるわけではありませんが、バブル期は女性が都会に出て、消費生活を楽しみ、男を傅かせ、この世の春を謳歌していた時代ではないでしょうか。
その反面、地方在住の男性は嫁を見つけることが出来ず、中国や東南アジアにお見合いツアーに出かける…といったニュースをよく耳にしました。
4・そして今の日本
そして今の「結婚できない時代」を迎えるわけです。
メディアを覗くと「女が男に過度の負担を求めすぎた。もうバブルは終わったんだよクソスイーツ!」「男が草食化したのが全部悪い。マジ草食死ねばいい」といった意見が多いですが、なにはともあれお互いをなじり続けて今に至ります。
1~3はそもそも論、男女の人口比や偏在に問題があったわけですが、4はこれだとメンタリティの問題ですね。それだけに、まだ希望があるといえばあるのですが、もう結婚の必要性がなくなってしまった、結婚自体が商品やコンテンツとして終わってしまった、ということなら、もう手の施しようはないのかもしれません。
2010年11月05日
書いた人 田中 :
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