復活愛は布団の火事

占い情報発信blog : 大久保占い日記

 占いなどという業の深い趣味に手を染めているせいか、最近女性から復活愛の相談をチラホラと持ちかけられます。(占い抜きで)話を聞くだけ聞いて、理知的に判断して常識に沿った答えを返してあげるのですが、それで満足なり納得なりができる人は希です。復活愛は復活するか、長い時間を経て「自分のココロが無事である」と自己確認する以外には、心を落ち着かせる方法がないからでしょう。まるで布団の火事を見るようです。
 私は消防署のPRビデオか何かで見たのですが、布団に火がついた場合、すぐに消し止めたとしても安心は出来ないんだそうです。いつの間にか表面の火が布団の芯に入り込んでおり、時間をおいて再度発火し、布団全体を焼き尽くすからだとのこと。中身が燃えているンだから、燃えだしたら消しようがないし、酷い場合は家まで焼ける。そこで布団に火がついた場合、風呂桶に水を張って一晩ザブンと沈めるのが正しい解決法。これなら再発火しても何ら問題ないし、後は「どう乾かすかなぁ」と心配するだけで済みます。
 復活愛の相談もこれと同じで、きちんと風呂桶に沈めておかなければ、じきにもう一度発火するように思えます。しかし、ココロを水に沈めること自体、人間にとっては大変な苦行でしょう。そこで水に沈めるのを避けて、気晴らしに別の男性を捕まえたとします。火をとりあえずパパッと消す行為の一つですが、燃えるかどうか不安なままの布団を使い続けることに、多くの人は耐えられないのではないでしょうか。芯の火が消えていなければどうなるか。燃えるかも知れない布団に同衾させられる男性も気の毒と言えば気の毒。
 復活愛を占って「大丈夫」という解を得て、本当に大丈夫であったというケースは少数派でしょう。ダメと言われたのに大丈夫だったケースはもっと少ないかも知れません。その逆で「大丈夫と出たがダメ」「ダメと出てダメ」という大多数のケースにおいては、布団の火事は依然継続中。ここできちんとした火消しの指導が出来ないと、布団だけでなく家まで燃してしまうように思うのですが、言葉で人間の情念を払うのは至難の業です。
 …と、ここまで考えて思ったのですが、「ダメ」というならいっそのこと「もう布団を庭に引きずり出して、ガソリンかけて燃やしてまえ!」とアドバイスした方が実は有益なのかも知れません。ダメで元々、方位術なりで吉方を取るなり、卜占で解決法を模索して試すなり、燃え尽きるまでやってみんかい!という暴力的かつ前向きな施療もあり得るのではないかと思うのです。
 もちろん金銭や健康、法律や社会通念といった恋愛以外の要素に大きな負担をかけない程度にすべきでしょうが、江戸時代の火消しが延焼を防ぐため、火元の周りの家屋をぶっ壊して回ったように「全て燃やす」という消火法もあって良いような気がします。前向きに戦っている間に、布団は燃え尽きている。もしくは「戦う」という行為のハイリスクさに気がついて、火が消えるかもしれません。もしかして彼氏が布団を新調してくれるかも知れません。
 こうやって戦い終えた女性には、大手を振って新しい布団を買いに行って欲しいのですが、果たしてどんなもんでしょうか。どんな布団を選ぶんでしょうか。今は燃えにくい布団もあるそうですが、寝心地がいいのは化繊の燃えやすい布団だったりして。



2003年09月09日

書いた人 田中 :

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