38万キロ…というタイトルを見て「あっ」と気が付いた人は、レトロゲームか音楽に造詣の深い方だと思います。言わずと知れたシステムサコムの名作ゲームです。
この作品は音楽のクオリティが非情に高く(日本で初めてMIDI音源に対応したソフトでもあります)、ゲームミュージックが音楽の1ジャンルとして確立されていく礎の一つとなった作品です。若いころシンセサイザーをいじくりまわしていた方は、名前を聴かれたことがあるのではないでしょうか。
しかし残念なことに、このゲームの作曲・アレンジを担当された斎藤学さんは、平成4年10月、20代前半の若さで夭折してしまいます。
それから10年、ひょんなことから斎藤さんのご遺族に「38万キロの虚空」のオリジナル・サウンドトラック盤をご貸与頂くことができました。CDを一聴して思い出すのは、悪ガキだったあの頃。当時毎日のようにいじっていた、パソコンやシンセサイザーは今や実家の物置で、両親に邪魔や邪魔やと邪険にされています。里帰りの際にでも、ホコリくらいは払ってやりたいですね。
CDを聴きながらライナーノートを見ようとブックレットを開いた瞬間、ほのかにお香の匂いがしました。このCD、いつもは御霊前に供えられていたのでしょうか。悪ガキどものヒーローのまま、逝ってしまわれた斎藤学さんにもう一度合掌。このCD、同好の士が集まればですが、100枚だけでも復刻してみたいのですが…
…ちなみに斎藤さんのご遺族が 慟哭の咏嘆 というサイトを運営されております。パステル画と詩で綴られた、大変美しいページです。興味のある方は訪れてみてください。
2003年05月07日
書いた人 田中 :
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